【連作障害が少ないイスラエル農業】-養液点滴栽培-

イスラエルでは、下水道も農場に配管されているパイプラインによって全土のものが肥料として利用されているということです。 日本では、水田の稲作中心に肥料や施肥法が考案されてきた歴史があります。稲はチッソをアンモニアで吸収することから、アンモニアを元肥で与えても土に吸着され、その濃度は一度には高まることなく円滑に吸収されていくために、固形肥料の使用やその生産が大半を占めたのです。

これに比して、畑作地帯は、土に吸着されにくい硝酸態チッソを使うため、元肥主体でなく、液肥による追肥体系が整ったと考えます。

このようなことと共に、もう一つ乾燥地アルカリ土のイスラエルで学んだことに連作障害の発生が大変に少ないことがあげられます。 連作障害は、同一作物の連続栽培による土壌障害ということですが、原因は一つではなくいくつかの要因が複合しているケースが多いのです。

その中でも、人為的な施肥の誤りによる残留肥料過剰分による障害、土壌物理性、排水性、土層の厚さが確保不充分な場合など、これらが微生物群の片寄りを加速させてしまい、結果として、同一圃場での同一作物の栽培を短命にしているケースが日本では多いのです。

この点において、アルカリ土では肥料を入れすぎることは出来ず、ゼロスタートのゼロ終わりを確実に毎作実行していること、また土壌物理性にすぐれていて根の活動が活発でこの根圏域はたいへん狭くても、そこに生存する微生物群はたいへんバランスがよく、特定の微生物が片寄った繁殖をしないのではないかと思われます。これは日本でも物理性のよい砂地帯で連作障害のあらわれにくいことからも証明できると思います。

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