【イスラエル先端技術の秘密】-養液点滴栽培-


イスラエルの多くの 面積をこのような砂漠土が 占めながら、その農業生産力はヨーロッパ各地に輸出するほどの技術を持っている鍵は何か、現地で秘密を探ってみました。 イスラエルでは、灌水しないで植物が育っているという場面はほとんど発見されず、街中の草木の1本まで灌水設備なしでは生きていけない自然条件です。ですから、作物栽培ということでは、当然、点滴灌水かスプリンクラーに頼っています。特に、点滴灌水の発祥地だけあって、その活躍ぶりには驚かされます。
これは前述のように、砂漠土は土の構造が全く発達していませんから、散水方式では作物は酸欠をおこしてしまうことが多く、そのため、点滴のスピードとその水を与える量の適合性が生まれてきます。つまり、毛管孔隙をつたって、毛管スピードでゆっくりと、しかも大きな孔隙、粗孔隙には空気のすき間を残しながら作物根に水を与える原理です。 次に、点滴はアルカリ土という元々土の中に多くの塩類、過剰成分を含む土で植物を育てるために、点滴点から外側に輪を描くように水が押し出されて、ある一定の範囲を適性濃度域に変えながら、限られた作物の根域をつくるという方式です。
このため、点滴によって押し出された円形の(これは平面的に見た場合)灌水域の外周部では、塩類が析出したりそこまでならなくても最高濃度になります。 
つまり、悪いものは根の及ばない位置まで押し出し、その内側の狭い所で健全根を多く生じさせ、そこで作物を育ててしまう発想です。それですから、最外部の塩類が析出するようなところでは、作物根はほとんどないといってよいでしょう。ですから点滴方式は水が節約できるのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です